教会の中では、オルガンの演奏が流れ、美しい歌声が響いています。
「父、御子、御霊の大御神よ」
父が立ち上がり唄いだしました。
背筋を伸ばし、瞳は輝いています。
隣で礼拝に参加していらっしゃるのは、
ボランティアのNさんです。
父を介助してくださりながら、礼拝についても、敬虔な姿勢で参加されています。
私はボランティアの方にお逢いしたのは初めてです。
Nさんは、父に会って、父の行きたいところなどをたずねてくださり、まずは教会ということで、今回の事となりました。
当日は、タクシーで向かったのですが、その中でNさんとタクシーの運転手さんの会話の中に突然父が入り、ちゃんと会話になっていたのにビックリしました。
次世代市電のことだったのですが、さすが新聞を読み出したのでちゃんと知っていて、渋滞の元にならないかと言い出したのです。
父は法事で従兄弟と隣り合わせても会話が出来なかったのに、
こんなに人の話が聞き取れるようになっていたのでした。
これはNさんの事が父は好きなので、何を話されているのか興味をもつたのだと思います。
これから、父はどんどん元気になっていってくれる、と思える春の始まりです。