介護世代

Kさんは、母のところに来て下さっているヘルパーさんでした。
かれこれ、四年以上のお付き合いになります。

初めてKさんに会ったのは、Kさんが23歳の時で、ラメのメイクでとっても可愛くコムスンのピンクのユニホームがよく似合っていました。
「えっ、こんなに可愛い人が」
と思ったものです。

でも、Kさんは、とっても真面目な人でした。
ゴキブリが居ると店にして来た時もあったけど、いかに義母に快適に、しかも楽しんでもらえるか、一生懸命考えてくれました。
短い時間の中で、私に負担が出来るだけかからないようにと、あれこれしてくださるその気持ちがとても嬉しかったです。

母の好きそうな歌を一緒に歌ってくれたり、ディに行く時もお洒落させてくれて、メイクもしてくれて、お陰で義母は「綺麗になった」と自信を持って行けました。

母がお風呂で便を漏らしたと言うと、
「よかったね～
お風呂で血行が良くなると、出るもんらしいですヨ。
元気になられたから、そうなってきたんやね～」

ああ、そういうもんなのか、と学びましたね。
彼女とのお喋りで意識改革された部分は大きいと思います。
ここで、折角彼女が一生懸命考えてくれているのに、「面倒だししたくない」と言ったら、がっかりされるから、と、頑張っているうちに習慣になったことがたくさんあるように思います。

その、Kさんが、ついに体を壊してしまいました。
うちの母のところにはいるのが朝の八時でしたし、父のところには夜の六時半で、その後もどこかに行っていたようです。

どうして、そんな長時間、と言うと、結局、ヘルパーさんは時給は悪くないのですが、移動時間は支払われないことが殆どで、しかも、ケアの時間は30分が殆どで、単純に言うと、十時間働いても五時間分の時給ということみたいです。

これが、パートのヘルパーさんの実態です。
社員さんは週休二日ですけど、パートさんは、そうでないようです。
Kさんのように、熱心なヘルパーさんは、移動時間が30分掛からないと、前のところで長くケアしてくださったりして、結局からだが休まらず、壊してしまったようです。

パートなので、契約を更新しないだけらしいです。
保険は?保障は?
Kさん、泣き寝入りしないでほしいです。

娘の年なのに、頼りにしていたKさん、逢えないのはとても寂しいです。
でも、まだ若いのだから、元気になってほしいから、しっかり休養して欲しいです。