介護世代

母のところに、美容師さんが訪問してくださいました。

私は、申し訳ないけど、看護婦さんカットは嫌い。
どんな美しい人も、十羽一絡げの「老人」と言う枠に押し込まれる気がします。

母の頭も、初めは訪問看護婦さんがカットしてくださっていました。
なにしろ、あの当時母は寝たきり、起きて食事をすることも大変な人を、幾ら髪の毛が伸びっぱなしと言っても、看護婦さん以外の方がカットなんて出来ません。
だから、カットしてくださっている事に感謝していましたが、なんとなく・・・

あれは、衛生的であるという以外の何物でもない気がします。
母は身奇麗でお洒落な人でしたから
「こんな格好で人に逢うたら、お化けやて言われる」
と、外出を拒否。

ケアマネさんと話をして、
「まず、綺麗になってもらって、外出へと向かいましょう」
で、苦労して美容室に連れ出したのですが、やはり、座位を保てない人に、長時間首を前に倒せとかいうのは、かなり大変です。

初めは、母が元々お世話になっていた「髪結いさん」的な方が営業していらっしゃったので、ざっとカットしてくださっていたのですが、高齢で廃業され、私の行くカットハウスでは時間が掛かりすぎで母がもたず、切れてしまわれ、それ以降、カツラを被られるからもういいか、って感じで、ヘルパーさんたちは三つ編みをしてくださって、結構可愛いと評判だったんですが・・・
それをいいことに、伸びっぱなしでした。

家政婦さんにその話をしたら、なんと、彼女の息子のお嫁さんの実家が病院をされていて、その関係で、あちこち出張カットをされているということなんです。
それでお願いすることにして、やはり、髪のボリュームが無くなってきているのでカツラは必要だけど、今のカツラは長いこと洗っていないのでプロに洗っていただき、もうひとつ作ったらと勧められました。

カツラのカタログを見ていると、母は髪の毛のボリュームはトップだけ薄いので、そこだけ補えばいいのではと思いつきました。
昔のヘアピースのような感じ、帽子型で後ろは地毛がでるのです。
それだと夏でも暑さはマシだし、なにより20gと、とても軽いのです。

カットしてすっきりした母に、カツラでボリュームを出し、家政婦さんがメイクし、ネイルもしてあげて外出。
皆に誉められて、母の顔つきも自信がみなぎり、どんどん輝いてきました。
やっぱり、女は綺麗が一番、かも。